2021年3月、大手オークションハウスで競売にかけられたデジタルアート作品が6930万ドル、およそ75億3000万円で落札されました。
“Everydays: The First 5,000 Days” byBeeple(ビープル)
これはデジタルアート作品として過去最高落札額、現存するアーティストのオークション落札額第3位となり、アート界の記録を大きく塗りかえました。
落札した人はこの作品を直接手にとって部屋に飾るわけではありません。その代わりにNFT (ノンファンジブル・トークン)と言われる”所有権”を手にします。
一体どういうことでしょうか?
新型コロナウイルスのパンデミック宣伝から1年たった今、アート界でなにが起こっているのかみていきましょう。
NFT(クリプトアート)とは?
こちらのNFTArt…なんと日本円で約1300万円で落札頂きました…!正直まだ実感が無いのですがとても嬉しく、驚いております…!
VRアートの新たな可能性が始まる記念すべき日となりました…!!ありがとうございます!!!!!!#nftart #cryptoart #nft https://t.co/lhpUJO7zqS— せきぐちあいみ AimiSekiguchi (@sekiguchiaimi) March 24, 2021
NFTはVRアーティスト・せきぐちあいみさんのデジタル作品が1300万円で落札されたことで日本でも注目を集めました。
NFTとは、Non-fungible token:非代替性トークンのことで、ビットコインやイーサリアムと同じように、ブロックチェーン技術を応用した暗号資産(仮想通貨)の一種。
ただしNFTが仮想通貨と違う点は、交換できない「オリジナルの一点もの」であるということ。
チケット購入者の名前、席の番号、日付、時間など固有情報が書かれているので、同じコンサートのチケットだとしても交換することはできません。
NFTで使われるブロックチェーンの台帳には、作品の固有情報や誰が所有しているかまで刻まれています。
なぜ高値で売れるのか?
どうしてそこまで高値で売れたのか気になりますよね。
デジタル作品はコピーがしやすい上に、作品はネットで検索さえすれば無料で観覧できるのに。。
その理由はまず、ブロックチェーン技術により「唯一無二」であることを証明できるから。作者のサイン入りのようにオリジナルと複製が区別でき、これまでの絵画や彫刻美術と同じように”投資の対象”になったのです。
そしてもう一つは、大手オークションハウスChristie’s (クリスティーズ)が初めて仮想通貨イーサリアム(ETH)を決済手段としてサポートしたこと。255年の歴史を持つオークションハウスが仮想通貨を受け入れたことは、アート史に残る、新たな時代の幕開けを象徴しています。
今回75億で落札されたアーティストBeeple(ビープル)は2月にもNFTマーケットプレイス「Nifty Gateway」である作品を販売し、7億2000万円で落札されています。
CROSSROAD
By @beepleThe #1/1 from beeple’s first NG drop has just resold on the secondary market for $6.6 million.
History has just been made.
Congrats to beeple and of course to @pablorfraile for the sale. pic.twitter.com/mTYG4VABSw
— Nifty Gateway (@niftygateway) February 25, 2021
体に落書きされ横になっている巨大なドナルド・トランプ前大統領の前を、人々が歩いている10秒ほどの動画が660万ドル(約7億2000万円)
ビープルの知名度や時代を象徴する作品で評価が高いのもありますが「NFTバブル」ともいえる現象です。。この取引もイーサリアムで決済されました。
ビットコイン以外の主要アルトコイン(altcoin)のひとつで、取引所でも取り扱いが多い仮想通貨。
2021年4月現在、時価総額はビットコイン(BTC)に次いで第2位。
これまで高額落札されたデジタル作品
デジタルトレカに2270万円
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2020年10月、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAが、試合のハイライト映像を公式に購入し、トレーディングカードとして売買できるNFTプラットフォーム「NBA Top Shot」を開設したことで話題を集めました。
レブロン・ジェームズのシュートシーンは約2270万円で落札されています。
Twitterの創業者の初ツイートに3億1640万円
Twitterの共同創業者であるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)は、最初のツイートを291万5835ドル(約3億1640万円)という巨額で売却。
ドーシー氏は売り上げをビットコインに変換し、アフリカ地域支援の非営利団に全額寄付したそうです。
火星のデジタル住宅が5570万円
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デジタルアートのマーケットプレイス、SuperRare(スーパーレア)で販売された「マーズハウス(Mars House)」は51万ドル(約5570万円)で落札。
トロントのアーティストKrista Kim(クリスタ・キム)が設計、NFTで作られた世界初のデジタル住宅。仮想世界としての火星に建てられたこの邸宅を探索することができるそう。
グッチのゴーストイラストGIFが39万円
Trevor Andrewが描いたグッチのゴーストのGIFは、3,600ドル(39万円)で販売。
現在は16,300ドル(177万円)の価値があるとも言われています。
村上隆も参入?
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日本を代表する現代美術家の村上隆氏がNFT作品を制作・出品しましたが、現在はライセンス条件などを理由に、出品を取り下げています。
これは憶測ですが、仮想通貨やNFTアートには膨大な電力が使用され環境に負荷がかかっていると批判があり一部のアーティストが辞退していることも原因にあるのかもしれません。
デジタルアートが購入できるマーケットプレイス
- OpenSea https://opensea.io/
- SuperRare https://superrare.co/
- Nifty Gateway https://niftygateway.com/
- Foundation https://foundation.app/
- VIV3 https://viv3.com/
日本初のNFTマーケットプレイス「nanakusa」https://nanakusa.io
NFTアート、これからどうなる?
ゲームのアバターなどプレイ可能な資産を内課金にしたり、デジタル不動産や家具の3Dアセットの販売など、NFTの可能性は多岐に渡ります。
アーティストにとっては作品を制作・共有するための新たなプラットフォームになり、ファンを増やしながら資金を得ることができ、ミュージシャンも自分の作品の権利や原盤、音楽のショートビデオやクリップを販売することが可能になります。
バブルがはじけるように、数年後にはNFT作品の価値が保証されなくなる可能性もありますし、反対にますます盛り上げをみせているかもしれません。
いつまでこのブームが続くかは分かりませんがNFTは間違いなく新時代を画する出来事でしょう。今後どうなっていくのか目が離せませんね。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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