アマゾンユーザーは全世界に3億人いるといわれています。
1994年の設立から約30年間で超巨大マーケットプレイスの不動の地位を築きました。
創業者であるジェフ・ベゾス氏が、先日7月5日にCEOを退任したのは記憶に新しく、現在進行形で世間を色々騒がせていますね。
税金をほぼ支払っていないことが明らかになったり、
彼と行く宇宙旅行の搭乗券がオークションに出品されると30億円で落札されたり、
「ジェフ・ベゾスは宇宙から戻ってこないで」という署名活動が行われ、数十万人がサインをしたり、、、
欧米では”アマゾン離れ”が囁かれ、Amazon alternatives(アマゾンの代替手段)が注目を集めています。
今回は、なぜ今アマゾンを避けるのかについて迫っていきます。
この記事はサステナブルな社会について問うもので、不買を促す目的ではないことをお含みおきください。
”消費者としてどうあるべきなのか”
お友達やご家族、パートナーと話すきっかけになれば幸いです。
アマゾン(Amazon)とは
アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏は、仮想商店街「マーケットプレイス」や会員制サービス「アマゾンプライム」、クラウドサービス「AWS」など、革新的なサービスを次々と輩出し、今のネットショッピングの基盤を作りました。
1997年に株式時価総額約500億円で上場以降、2021年6月末時点で時価総額は約190兆円に達しています。(なんと約3800倍…!)
2021年アマゾンの統計
- アマゾンのアクティブユーザー数は全世界で3億人
- 毎月1億9700万人がAmazon.comを訪れている
- アメリカだけでも9500万人がAmazonプライム会員
- アメリカ人口の3分の2がAmazonで買い物をしたことがある
- 2019年のAmazonの純売上高は2805億ドル(およそ31兆円)
- アマゾンは5つの製品カテゴリーで90%以上の市場シェアを保有
参考:https://techjury.net/blog/amazon-statistics/#gref
会員制サービスのアマゾンプライム(※)の利用者数は全世界で2億人を突破。
2021年6月に実施された会員向けの特売イベント「プライムデー」では、米国だけで2日間の総売上高が110億ドル(約1兆2100億円)に達したそう。
ベゾス氏が引退後も株価は上昇しており(7月上旬現在)、その勢いはまだまだ止まりそうにありません。
(※)アマゾンプライム・・・年会費119ドル/4900円で送料無料、動画や音楽配信サービスの特典が受けられる。顧客が他社へ流出するのを防ぐアマゾンの強力戦略。
アマゾンを使わない理由とは。問題点を一緒に考えよう
アマゾンボイコットをする人たちや、”ジェフ・ベゾスは宇宙から戻らないで署名”をした人たちは、ただベゾス氏が所有する大金に嫉妬しているのではないことは明白です。
- 新品商品を大量破壊し廃棄
- 環境負荷
- 労働者の扱い
- 納税額の少なさ
- 小売店への影響
これらの問題は今に始まったことではありません。
しかし今、コロナ禍で発覚した従業員に対する扱いや、商品の大量廃棄にスポットがあたり、さらにSGDsの普及も相まって「超巨大マーケットプレイスの存在意義」が再び問われているのです。
新品商品を大量破壊し廃棄
イギリスのテレビ局 ITV Newsが報じたのは、アマゾン倉庫内で起こる衝撃の実態でした。
2021年6月21日にYouTube上で公開されたこの動画は、スコットランドにあるアマゾン倉庫の潜入取材でとらえられた商品廃棄の様子。
新品の工具やイヤフォン、書籍、宝石、梱包されたままの商品が「Destroy(破壊)」とタグ付けされ、トラックで埋立地へと運ばれていきます。
動画に登場する元Amazon倉庫の従業員は、ダイソンの扇風機やMacBook、iPad、そして新型コロナウイルス感染症用のマスク2万個を処分したことがあると証言。
この件でアマゾンは声明の中で、「製品廃棄ゼロ」という目標に向かって努力していると述べています。
環境負荷
アマゾンは再生繊維を43%使用した段ボールの使用など環境に配慮をしています。
「フラストレーション・フリー・パッケージ」という、過剰な梱包資材を省き簡単に開封できるパッケージもあるようですが、まだすべての商品に適用されているわけではないよう。
ツイートのような過剰梱包を見てしまうと、資源の無駄遣いや、配送車を無駄に増やしているのではないか疑問が浮かびます。
久しぶりのAmazon過剰梱包w
これと緩衝材のみ🤣 pic.twitter.com/WicolxbF5i— th (@ari160) June 30, 2021
嘘だろ…!?
Amazon過剰梱包w pic.twitter.com/gT4sfdzDAt— じょう.zip ☻サバゲと酒とインコの人 (@daburisugidaro) February 23, 2021
労働者の扱い
米国では、アマゾンの一部の労働者が待遇に対して今現在も抗議をしています。
アマゾンが十分な数のフェイスマスクを供給せず、出勤時に従業員が病気でないことを確認しないなど、安全よりも収益を優先していると非難。
労働者の問題は、米アマゾンだけではなく日本においても無視はできません。
アマゾン配達員の態度が悪いと炎上になった件がありましたが、これはアマゾンがピラミッドの頂点に位置にいるとして、下請け業者は日々プレッシャーがかかる作業におわれ、配達効率が悪いと自然と淘汰されてしまう構造に原因があります。(※)
「低賃金だからしょうがない」
「ヤマトの人はいつも丁寧なのに」
このように、知らず知らずのうちに労働者の人権侵害に加担しているかもしれません。
(※)東洋経済オンラインhttps://toyokeizai.net/articles/-/217681?page=3
納税額の少なさ
ニューヨークの非営利報道組織プロパブリカの調査報道で、ジェフ・べゾス氏、テスラ社のイーロン・マスク氏など米大富豪の一部が所得税をほとんど収めていないことが明らかになりました。
ジェフ・べゾス氏は2007年と2011年は所得税をゼロに抑えたとか。
米誌フォーブスのデータを基にベゾス氏の富が2006年から2018年までに1270億ドル増えたとされていますが、この間の支払額は14億ドル。
「真の税率」は1.1%にすぎないことが浮き彫りになりました。
ちなみに、彼の純資産は2010億ドル(約22兆1572億円)あるといわれています。
参考:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN08F810Y1A600C2000000/
小売店への影響
スーパーマーケットの誕生で過疎化した商店街のように、アマゾンという巨大なマーケットによって、店舗が飲み込まれる、または閉店に追い込まれる「アマゾン・エフェクト」が各地で起こっています。
2019年、米国では9,300以上の店舗が閉鎖されており、前年と比較すると50%以上も増加しています。数々のオンライン・サービスが普及した背景がありますが、その中にアマゾンの存在もあるでしょう。
しかしそれとは対照的に、アマゾンに出店している中小企業は170万社にのぼると推定されています。
Amazonワールドワイド コンスーマーの最高経営責任者ジェフ・ウィルキー氏は「アマゾンと販売者との間には互恵的な関係が存在している。中小企業を殺しているのではなく、むしろ中小企業がより多くの顧客にリーチできるように支援し、その過程で成長をもたらしている」と強調。
実際、アマゾンが中小企業にプラットフォームを開放したことで雇用機会は2倍になっています。
パンデミックの影響で、世界中の消費者がオンラインショッピングを選択するようになったことでアマゾンに出店している中小企業の売上も、2019年の同時期と比較して50%以上増加しているそうです。
参考:https://www.sellersnap.io/amazon-impact-small-businesses/
その他参考URL
・フォーブス”ジェフ・ベゾスは「宇宙から戻らないで」 署名運動に十数万人”
https://forbesjapan.com/articles/detail/42153
・日本経済新聞”10の数字でみるAmazon ベゾス氏が変えた世界”
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN28CL30Y1A620C2000000/
・The Guardian”How to avoid Amazon: the definitive guide to online shopping – without the retail titan”
アマゾン(Amazon)やめますか?まとめ
今回アマゾンについて書いていきましたが、問うべきは消費者一人ひとりの行動にもあると思うのです。
海外のNot Amazonを推奨する物販コミュニティでも、クレーマーのような、悪質な人はいます…。
- 地域店舗をサポートするために、なるべくネットに頼らず買いに行く
- 返品+送料が無料だからといって、試着感覚で服や靴を買わない
- 安いからという理由だけでマーケットプレイスを選択しない
消費者としてサステナブルにどのように貢献できるか。
パッと思い浮かんだものをあげてみましたが、他にもありましたらツイッターなどでコメントいただけると嬉しいです!
↓環境負荷が問題視されるファッション業界、サステナブルについても紹介しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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