検索エンジンといえばGoogle一強の現代。
ところが世界では少しずつその動きに変化が見られてきています。
上の会話のように、近い将来はスマホ機種のようにスペックや利用者の目的に合わせた多種多様な検索エンジンが使用されるようになるかもしれません。(「スタペる」「エコじる」は勝手につくった略語です)
今回は、数ある検索エンジンの中でも注目を浴びているStartpageとEcosiaを紹介します。
パソコンとスマホそれぞれデフォルト設定にする方法を紹介しているので、すぐに知りたい方は下のContentsよりジャンプしてご覧ください。
もうGoogleやめたい・・・
「検索=ググる」と言われるほど、普段から当たり前に使用されているGoogle
AIが搭載された最先端アルゴリズムは、検索された単発キーワードから関連性・信憑性が高い記事を検索結果上位に掲載。利用者が多ければ多いほど機械学習する機会が増えて、より精度の高い検索結果を表示できるようになります。
その利便性の高さや、スマートフォンメーカーと契約し元々デフォルトで設定されているのもあってGoogleは検索エンジンの世界市場シェアを9割も占めています。

Google約91%に対し、2位のBingはわずか2% 出典:statcounter
その反面、Googleが利用者の情報(IPアドレスやCookieなど)をトラッキングしていることは周知の事実。
「キャンプ」と検索すればそれ以降キャンプ用品の広告が表示されたり、渡航すれば海外勤務のリクルート広告が表示されたり・・・
心当たりのある方がほとんどなのではないでしょうか。
最近デジタルマーケティング関連をよく調べているのですが、Googleの広告で使用されるターゲティングのユーザー属性とかってえげつないのね…(あとYahooも)
ささやかな抵抗のために、プライバシー重視の検索エンジンをいまいろいろ調べています。— Amie Nohana (@Amie_Writes) August 11, 2021
なぜGoogleが情報をトラッキングするかというと、検索エンジンの収入源は広告だから。アルファベット社(※)の2020年の収益はおよそ1,830億ドル、そのうち1470億ドル(約80%以上)はGoogle広告によるもの。
Google広告を利用する企業(以下:広告主)が多ければ多いほど収益が増える仕組みです。
(※)Alphabet(アルファベット)・・・グーグルの持ち株会社。2015年ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創設
広告主が支払う費用は、契約が成立した時にのみ発生する”クリック課金型”なので、Googleは広告主へ費用対効果に見合うサービスを提供する必要があります。
広告主の製品/サービスに関心をもっているインターネット利用者(以下:ユーザー)、あるいは興味を持ちそうなユーザーに対してピンポイントに広告を配信できるように、細かなターゲティングが行われます。
Google広告のターゲティング設定 | |
ユーザー属性 | 特定の地域、年齢、性別、端末の種類、世帯収入や子供の有無 |
ユーザーの関心 | たとえば”環境問題””メイク”を検索するユーザーには「エコな化粧品」を広告表示 |
購買意向の強いユーザー層 | 広告主が宣伝する商品/サービスに似たものをクチコミやYouTubeで検索しているユーザー |
リマーケティング | すでに広告主の広告、ウェブサイト、アプリにアクセスしたことのあるユーザー |
類似ユーザー | リマーケティングリストのユーザーに類似した興味や関心を持つユーザー |
出典:Google
このようにGoogleは細かくユーザーを選別して広告配信を行っています。(Yahoo!JAPAN広告でも同類のターゲティング設定が提供されています)
どこに住んで収入はどのくらいか、どんなものに関心があるか、今何が欲しいのか・・・すべて把握されているんですね。
Googleのアリゴリズム分析や広告追跡に違和感を覚える方は、まずは検索エンジンを変えてみることをおすすめします。
徹底的にプライバシーを守るなら【Startpage】
検索するだけで植樹ができる環境にやさしい【Ecosia】
それぞれの特徴、デフォルトに設定する方法も掲載しています。
プライバシー重視の【Startpage】

オランダ拠点のStartpageは、プライバシー重視で安全性も高い検索エンジン。
独自のプライベートブラウジング機能『Anonymous View』でウェブサイトを完全プライベートで閲覧することができます。
Googleと同様の精度の高い検索結果を掲載しながら、IPアドレスや検索中の行動が追跡することは一切ありません。
【Startpage】5つの特徴
- 安全なHTTPS接続で空港、駅、コーヒーショップなどの公共ネットワークでもプライバシーを保つことができる。
- Startpageのプロキシ経由(※)でWebサイトにアクセスしているため、ページの読み込みに少し時間がかかる。
- Cookiesや位置情報の通知が複数回表示されることがある。しかしこれはStartpageが個人情報を記録・保存するCookiesをブロックしているため。
- Anonymous Viewでウェブサイト側が分かるのは、”Startpageからのアクセス”ということのみ。個人のデータは一切記録、共有されない。
- サイトのプライバシーポリシーに問題がなければ、青いボックスの右下にある「Visit Original Website」をクリックすれば通常画面で閲覧可能。
(※)プロキシ・・・外部のインターネットに”代理”で通信するサーバー。海外から日本のサイトへアクセスするために使用される「VPN」の仕組みと似ています。
Anonymous Viewモードで閲覧する方法
調べたいキーワードを検索し、開きたいページのURL横にあるアイコンをクリックします。

表示準備中…ページが開くまでほんの少し時間がかかります。

ウィンドウを囲む青枠はAnonymous ViewモードがONになっている状態。100%匿名、つまり透明人間になって閲覧できていることを示しています。

数日間使用していますが、ページ表示されるまでに多少の時間がかかるのが気になる程度でそれ以外は快適に閲覧できています。
追記:表示されないページもいくつかありました。
Startpageをデフォルトの設定する方法
Startpageをデフォルトにする方法を3通り紹介します。
- パソコン(Safari)
- パソコン(Chrome)
- スマホ(Safari)
①画面左上Safari > Preferencesへ進みます。

②3項目を下のように設定します
- New Windows open with(新規ウィンドウを開く):ホームページ
- New tabs open with(新規タブを開く):ホームページ
- ホームページ:https://www.startpage.com

①StartpageをChromeに追加します。

②「Add extension」をクリックします。

Chromeに追加できました。

①Safariで https://www.startpage.com を開き、スマホ下ボタン中央をクリックします。

②「ホームスクリーンに追加」へ進みます。

③追加(Add)をクリック

ホームスクリーンに追加されました。

検索するだけで植樹できる地球にやさしい【Ecosia】

Ecosia(エコジア/エコシア)は「検索するだけで木を植えられる」エコな取り組みをおこなうベルリン生まれの検索エンジン。
どうやって木を植えられるの?と思いますよね。Ecosiaでは広告収入の80%を植樹活動を行う非営利団体に寄付しています。
約45回の検索で1本の木が植えられるとされていて、2009年に誕生してからこれまでに1億3千万の植樹が行われました。
日常のちょっとしたアクションで環境保全に参加できるなんて画期的ですよね。アプリもあるので今すぐに使えます!
Ecosiaをデフォルト設定する方法
以下3つの方法を紹介します。
- パソコン(Safari)
- パソコン(Chrome)
- スマホ(アプリ)
①Safari Preferencesを開きます。

②3項目を下のように設定します
- New Windows open with(新規ウィンドウを開く):ホームページ
- New tabs open with(新規タブを開く):ホームページ
- ホームページ:https://www.ecosia.org

③検索エンジンをEcosiaに設定します。

①ChromeのダウンロードページからEcosiaを追加します。

②「Add extension」をクリックします。

これで設定完了です!

Ecosia Appを使用する

Appleの場合は、Setting>Safari>「デフォルトブラウザアプリ」と「検索エンジン」をEcosiaにします。

Ecosiaのトラッキングをオフにする|Chrome

https://info.ecosia.org/privacy
Ecosiaはプライバシーも重視しており、広告会社へ個人情報を提供することはなく、検索履歴も1週間で匿名化されます。
またブラウザの設定ですべてのトラッキングをオフにすることができるので、その方法も紹介します。
①Chrome Preferencesを開きます。

②プライバシー&セキュリティー >「Cookiesとその他のデータ」へ進みます。

③「”Do Not Track”リクエストを送る」をオンにします。

Googleに代わる検索エンジンStartpageとEcosia|まとめ
Ecosiaは毎月財務報告を公開しており、植林やグリーン投資に使用されているのが確認できます。


2021年6月の財務報告 出典:Ecosia
この透明性の高さやサスティナビリティで、ドイツ国内で初めてB corp認定を受けたことで知られています。B corp(ビーコープ)とは、会社の利益だけではなく労働者、顧客、地域社会、環境を考慮しながら利益を生む企業に与えられる認証制度のこと。その他サステナブルな認証制度はこちらで紹介しています。

Googleは7月、反トラスト法(独占禁止法)違反したとして米国で提訴されています。
提訴はこれで4度目なのですが、、もしも検索エンジンのシェアが分散されるとGoogle広告の収益に依存しているサイト運営者に影響が及びます。すると、次に何が起こるでしょうか。コンテンツ自体が減少しユーザーに影響も与えるかもしれません。
とはいえ、検索エンジンもビジネスモデルの一つであり、利用者である私たちにはプライバシーを守る権利があります。
今回紹介したStartpageやEcosia以外にも検索エンジンはたくさんあるので、自分に合うものを探してみるのも面白いかもしれませんね。
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland
日本語も英語もイギリスでした。
🌿Special thanks
Ecosiaを教えてくださったKyokoさん、ありがとうございました。
Kyokoさんは[ヴィーガン/気候変動]×[性教育/セクシャルウェルネス]のやさしい未来を感じる情報を共有してくださっています。ぜひご覧ください。
Twitterアカウント:@BonheurKyoko
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