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イギリスのチベット仏教寺院で瞑想体験|僧院長ラマ・イェシェ・ ロサルの半生

 

たまには喧騒から離れてゆっくり過ごしたい・・・なんて思いませんか?

とくに海外生活をしていると言葉の壁や生活習慣の違いなど気が休まらないことも多いですよね。

 

そんなときはチベット仏教センターで瞑想したり、お茶をするのがおすすめです。

Amie
Amie
こんにちは、Amieです(@Amie_Wtites)

ロンドンとスコットランドにあるチベット仏教センターは、チベット仏教徒でなくても気軽に立ち寄れます。

体がほぐれるように落ち着く空間ですよ。

今回はイギリスにある2つのチベット仏教センターの紹介と、

その施設の僧院長を務めるラマ・イェシェ・ロサルの半生も合わせて紹介します。

なんでイギリスにチベット仏教施設があるの?

欧米で仏教の勢いが増したのは、60年〜70年代頃。

1959年、ダライ・ラマがインドへ亡命したのをきっかけに、およそ10万人のチベット人がインド、ネパール、ブータンに難民として流入します。

多くのチベット人は亡命政府があるインド、ネパールで生活するようになりましたが、一部のチベット僧侶は新たな活動拠点を求めて欧米へと渡りました。

 

1966年には、初の西洋人チベット尼僧が誕生します。

イギリス人女性フレダ・ベディさん 引用:Lion’s Roar

彼女は若いチョギャム・トゥルンパ(※)と出会い、彼のためにオックスフォード大学の奨学金を手配します。

これは、西洋で最初のチベット仏教センターであるスコットランドのカギュ・サムエ・リン設立の大きな貢献につながりました。

 

チョギャム・トゥルンパ

Chögyam Trungpa

 

Image:Bing

 

クレイジー・シッダ(狂気の成就者)

 

西洋へのチベットの仏教の普及に大きく貢献した人物。

オックスフォード留学後スコットランドに仏教センターを創建し、アメリカへと渡ります。

ヒッピームーヴメント真っ只中のアメリカで仏教の教えを説くためには「文化的装飾物や宗教的荘厳から自由である必要がある」とし、僧衣を脱ぎすて世俗へ混じりました。

“狂気の智慧(crazy wisdom)”スタイルで、アルコール中毒やセックス・スキャンダルなどの話題を起こし、一躍アメリカで有名な僧侶となります。

 

【スコットランド】カギュ・サムエ・リン瞑想センター

Kagyu Samye Ling Monastery

カギュ・サムエ・リン

スコットランドのエスク川のほとりの静かな谷間にあるカギュ・サムエ・リンは1967年、アコン・リンポシェとチョギャム・トゥルンパによって創建されました。

ヨーロッパ初のチベット仏教センターで、現在60人以上の僧侶とボランティアが居住しています。

引用:Kagyu Samye Ling Monastery

広大な敷地にはヨーロッパで1番の大きさを誇るチベット仏教寺院や庭園、池があります。

もちろんチベット仏教徒でなくても気軽に見学でき、宿泊施設も充実しているため宿泊や長期滞在することも可能です。

また日帰り団体ツアーもあり、大人は一人6ポンド、子供は3ポンドで寺院と仏舎利塔の見学、ガイド付き瞑想、質疑応答が行われています。

私はここで1泊して朝と夜、1時間の瞑想に参加しました。

「スコットランドの大自然に囲まれた仏教寺院」という異国情緒たっぷりの中での瞑想は特別で大変貴重な体験になりました。

ほかにも敷地内の庭園を散歩したり、カフェでお茶を飲んだりゆっくりとした時間が過ごせます。

瞑想が終わったあとは食堂で美味しいベジタリアン料理を。

 

Kagyu Samye Ling Monastery

Eskdalemuir, Langholm, Dumfries,

DG13 0QL, Scotland

※2021年1月現在、新型コロナウイルスの影響により閉館しています。

【ロンドン】カギュ・サムエ・ゾン ロンドンチベット仏教センター

引用:geograph

Kagyu Samye Dzong London Tibetan Buddhist Centre 

カギュ サムエ ゾン ロンドン

1998年にオープンしたロンドンチベット仏教センターは、バーモンドジー駅から徒歩10分ほどのロンドン中心部にあります。

都会にありながら、中にはいるとカラフルな装飾と優しいチベットのお香の香りに包まれた暖かい空間が広がります。

引用:FaceBook

仏教の教え、瞑想、ホリスティック療法コースなど様々なワークショップが行われ、誰でも気軽に立ち寄ることができます。

小さなカフェにはチベット仏教関連の本が置かれ、お茶と手作りケーキをいただきながら読書することも可能です。お香や瞑想グッズも販売されているのでお土産にも。

相部屋のみになりますが、宿泊もできますよ。

 

Kagyu Samye Dzong London Tibetan Buddhist Centre

15 Spa Road
Bermondsey  SE16 3SA

開館時間(※閉館中2021年1月現在)
月・火曜日閉館
水〜金曜日15時〜21時
土・日曜日9時〜21時

 

こちらも現在新型コロナウイルスの影響により閉館していますが、オンラインコースが行われています。高僧の話を聞いてみたいという方は、参加してみてはいかがでしょうか。

 

引用:Kagyu Samye Dzong London Tibetan Buddhist Centre

僧院長ラマ・イェシェ・ ロサルの半生

引用:Kagyu Samye Ling Monastery

イギリスのチベット仏教センターの僧院長を務めるラマ・イェシェ・ ロサル(Lama Yeshe Losal Rinpoche)は、アコン・リンポチェ(※)の弟。

インド亡命後アメリカで修行生活を送り、現在はスコットランドのカギュ・サムエ・リンで仏教活動を行っています

 

(※)アコン・リンポチェ

akong rinpoche

Image:Bing

 

カルマパ17世を見いだしたカルマ・カギュ派の高僧

 

ラマ・イェシェ・ ロサルの兄でスコットランドのサムエ・リンの共同創建者。

「大慈善家」として有名で、チベット内に61の学校、19の病院、29の学堂、その他多くの教育・福祉施設を建設し、多くの人から尊敬を集めていました。

カルマパ17世を見出したことでも知られています。

(カルマパとは、 チベット仏教四大宗派の一つであるカギュ派の最高位。

チベット仏教全体では第三位の高僧になります。一位はダライ・ラマ)

 

 

ラマ・イェシェ・ ロサルは昨年、2020年に自身の半生を綴った本「From a Mountain In Tibet」を出版しました。

 

幼少期に過ごしたチベット生活、中国軍から逃れながら10ヶ月歩いてヒマラヤを越えた話など、ページをめくる毎に感動と衝撃の連続です!

広い洞察力で書かれた美しい描写、博学とユーモアを交えた文章で、読む人にやさしく人生の教訓と知恵を与えてくれます。

やさしい英語でとても読みやすく、チベット仏教に関する歴史も網羅しているのでぜひ多くの人に読んで欲しい一冊。

今回ほんの一部分だけ、ラマ・イェシェ・ ロサルの半生を紹介したいと思います。

テレビも車もないチベットで過ごした幼少期

1943年、東チベットのカムに生まれたイェシェ・ロサルは、兄のアコン・リンポチェが大院長を務めていたドルマ・ラカン僧院で教育を受けます。

電気もない牧草地の大自然に囲まれて、他と子供たちと変わらないように僧院での退屈な学習に不安を漏らしながら幼少期を過ごしました。

しかし15歳のとき、中国軍が村にやってきます。

当時イェシェ・ロサルはその後人生を大きく変えるとは知らず、初めて見た車や軍服に感動したそうです。

インドへ亡命

ダライ・ラマがインドへ亡命したのをきっかけに、チベットから脱出するため兄のアコン・リンポチェやチョギャム・トゥルンパ、その他の難民たち300人とヒマラヤを経由してインドへと向かいます。

引用:The Tibet Museum

ヒマラヤの寒さに服は歩くたびにシャカシャカと音がなるほど凍り、

ボートで川を渡っている際に中国軍の銃撃によって多くの友人を失い、

食糧が尽きた時はレザーのバックを噛みしめながら、およそ10ヶ月間かけて険しいヒマラヤを越えました。

多くの人が殺害、逮捕、餓鬼で亡くなり、インドへ到着した時にはたったの13人しか生き残っていませんでした。

ヒッピー絶頂期を過ごした日々

インドでの難民生活時は自身のことを「selfish and full of pride(利己的でプライドが高い)」と表現し、フラフラと街へでて賭け事をしたり、女の子と映画を見に行ったりして過ごしていました。

西洋に興味を持った彼は、兄とチョギャム・トゥルンパの助けを借りて1969年にスコットランドへ向かいます。

この頃欧米はヒッピー運動の絶頂期。これまでの人生と真逆の「快楽主義的」なライフスタイルに身を浸すようになりました。

 

そんな生活の転機になったのが、友人と出かけた釣り旅行でした。

仏教徒として魚を釣ることに抵抗感を持っていたものの、友人を喜ばせるために参加し、たくさんの魚を釣りました。

彼の友人は自慢げに死んだ魚を撮影しその写真を兄アコン・リンポチェに見せました。

写真を見て深く悲しみながらも、決して弟を見捨てることはなかったアコン・リンポチェに、彼は罪悪感と後悔に胸を打たれました。

そして心を仏法に戻すことを決め、アメリカへ渡り修行に励みます。

師匠でもある兄の死

5年間の隠遁生活で多くの苦難に耐えた後「ラマ」として認められたラマ・イェシェ・ ロサルはイギリスへ戻り、ホーリーアイル島の世界平和と健康のためのセンター設立や、チベット仏教の普及に尽力してきました。

ホーリーアイル島 引用:HolyIsle

しかし2013年、兄であり師匠でもあるアコン・リンポチェが中国・成都で殺害される悲劇が起きます。

成都の警察当局は「金銭問題のトラブル」が原因と説明したそうですが、それには未だに多くの疑問の声があります。

ラマ・イェシェ・ ロサルは亡くなった兄の後任として、カギュ・サムイ・リンや他仏教センターの全責任者となりました。

 

これらの話はほんの一部。

私たちには到底想像できない苦悩な道を歩んできたラマ・イェシェ・ ロサルですが、彼はいつもユーモアと愛情に満ち溢れ、私たちと同じように過ちを犯して後悔し、それを包み隠さず率直にやさしく語りかけます。

イギリスのチベット仏教寺院で瞑想体験|まとめ

いまだにチベットでは数多くの問題を抱えています。過去には弾圧政策の抗議に何百人ものチベット人が焼身自殺をしました。

ニュースになることは少ないですが、より多くの人がチベットに関心を持ってくれたら嬉しいです。

 

チベット仏教センターはホッと一息つける、居心地のいい場所なのでぜひ訪れてみてくださいね。新型コロナウイルスが収束したら私もまた足を運びたいと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

Freedom is not something you look for outside of yourself.

Freedom is within you.

Choje Akong Tulku Rinpoche

自由はあなたの外に求めるものではありません。自由はあなたの中にあります。

チョジェ・アコン・トゥルク・リンポチェ

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