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イギリスの美しい野の花を愛でる。【夏のワイルドフラワー】

 

前回の【春のワイルドフラワー】の続きです。

イギリスの美しい野の花を愛でる。【春のワイルドフラワー】野の花は雑草として扱われてしまいますが、イギリスではとても愛されている花です。どうして愛されているのか3つの理由と、3〜4月に咲く野の花を紹介しています。ぜひ草原を散策前にお読みください。...

 

今回は【のワイルドフラワー】

5〜7月が見頃の野の花を13種紹介します。(8月は随時更新)

5月のワイルドフラワー

Lily of the valley(すずらん)

5月から6月がシーズンのすずらんは、小柄な白いベルの形をした花をつけるかわいらしい植物で、繊細な甘い香りを放ち、バラ、ジャスミンと並ぶ香水によく使われる三大花香の一つです。

清楚で可憐な雰囲気から、ヨーロッパでは贈り物やウェディングブーケにも使われています。

ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式。すずらんがブライダルブーケに使用されている 引用:express

 

「美しい花には毒がある」というように、すずらんにはその可愛らしい姿と裏腹に、猛毒をもっています。子供が花瓶の水を誤って飲んでしまい亡くなったケースもありました。

草原で自生しているすずらんを見かけた時は、ペットやお子さんが口に入れないよう十分に気をつけましょう。

 

Dog rose(ドッグ・ローズ)

ドッグローズは、生垣や森林、砂丘や草原に見られる低木で、5月に甘い香りのするピンクや白の花を咲かせます。

秋に実る、赤い実「ローズヒップ」には、ビタミンCが豊富に含まれており、ジャムやハーブティー、スキンケア、サプリメントなど、私たちの生活の中で様々な場面で使われます。

第二次大戦中のイギリスでは、学童たちがビタミンCを補うために、生垣に生えたローズヒップを採集していたといわれています。

 

Geum rivale(ゲウム・リバレ)

image: Bing

ゲウム・リバレ(別名:Water avens)の和名は風鈴ダイコンソウ。

アプリコットのようなオレンジがかったピンク色の花びらが、風鈴のようにうつむいて咲きます。

湿地帯の森林や川辺、湖、池などの日陰に自生していることが多く、あまり目立ちはしませんが、繊細で風情がありますね。

野生のゲウム・リバレはイギリス北西部で多く見ることができます。

 

Scarlet pimpernel(スカーレット・ピンパーネル)

和名:アカバナルリハコベ

スカーレット・ピンパーネルは、太陽が出ているときだけ花を開く習性があります。

そのため「Shepherd’s weather glass(羊飼いの天気予報グラス)」や

「old man’s weathervane(おじさんの風見鶏)」などとも呼ばれています。

 

Ragged robin(ラグドロビン)

一風変わった星の形をしたピンク色の花びらをもつラグドロビン。

草原や湿った牧草地、森林の中で見ることができ、そよ風に繊細に揺れる姿は人の目を楽しませてくれます。

マルハナバチ、チョウ、ミツバチもこの花の蜜が好物なので、ガーデナーの間でも人気の植物です。

6月のワイルドフラワー

Red campion(レッド・カンピオン)

レッド・カンピオンは、ブルーベルの花が終わる頃に咲き始めます。

運よくこの2つの植物が同時期に重なると、ピンクとブルーの海のような森林の絨毯を見ることができます。

別名「Adder’s Flower」とも呼ばれ、蛾や蜂、蝶の大好物でもあります。

 

Honeysuckle(ハニーサックル)

ハニーサックルは生垣や低木、森林などによく見られる植物で、6月から8月にかけてラッパ状の花が咲き、秋には赤い実が熟します。

甘く芳醇な香りが特徴で、夜になると蛾に受粉を促すために、より強い香りを放ちます。

蜂や蝶の蜜、コウモリの餌、鳥の巣などあらゆる生き物を支えていることから「野生動物のホテル」と呼ばれるほど重要な役割をもっており、特に減少傾向にある希少な蝶White admiral(ホワイトアドミラル)はハニーサックルの蜜を必要としています。

昔は、ハニーサックルが家の入り口付近に生えると、幸運をもたらし悪霊の侵入を防ぐと信じられていました。

 

Cornflower(コーンフラワー)

澄んだブルーに、初夏の庭を美しく彩るコーンフラワーはガーデナーに大人気。

コーンフラワーという名前の通り、かつてはトウモロコシ畑に群生していましたが雑草として考えられていたため、除草剤よってほぼ絶滅してしまいました。

現在、街で見られるコーンフラワーは園芸用の種で、本当の「古代のコーンフラワー」を見れることは非常に稀だとか。

ワイルドライフ・トラストの自然保護区であるバッキンガムシャー州のCollege Lake(カレッジ・レイク)では、毎年夏になると野生のコーンフラワーやポピーが咲き乱れ、色とりどりの風景を楽しむことができます。

引用:Nationaltrail

 

7月

Cow Parsnip(カウパースニップ)

カウパースニップ(別名Hogweed)は、5〜6月にかけて急成長し、その高さは最長3mにもなります。背の高い茎の上には傘のように白くて小さな花がたくさん咲き、バニラのような甘い香りがします。

毒性はありませんが、敏感な人が樹液に触れると接触皮膚炎を起こすことがあり、近縁種のCow Parsley(別名Queen Anne’s lace)も同じく樹液に触れると炎症を起こすことがあります。

 

Teasel(ティーゼル)

たわしのような、茶色く楕円形のとがったティーゼルは草原や荒れ地などあらゆる場所で見られます。

背は人の背丈くらいで、茎には棘があります。

7月から8月にかけての花期には、トゲのある花頭はほとんどが緑色になり、紫色の花が輪状に咲きます。

花にはハチが、種は野鳥のゴールドフィンチがついばむために訪れるので、庭植えにも人気です。

イギリスの野鳥 ゴールドフィンチ  引用:Jeremy Paul

 

Harebell(ヘアベル)

7月から9月にかけて花を咲かせるハーベルは、主に生垣、草原、砂丘、崖など乾燥した土地で育ち、繊細なブルーは桔梗にも似ています。

草原が失われたことや、化学肥料で成長した植物との競合に勝てず、イングランドでは絶滅の危機に瀕しており、自生しているハーベルが見れるのは、イングランド南西部やスコットランド北西部の限られてた一部となっています。

 

Ox-Eye Daisy(オックスアイ・デイジー)

オックスアイ・デイジー(別名ムーン・デイジー)は、デイジー科の中でもっとも大きな自生種。

白い花びらと鮮やかな黄色が咲き乱れ、夏の景色を陽気に彩ります。

 

「・・・彼は私を好き・・・好きじゃない」

1枚ずつ花びらを摘んでこんなふうに占いをしたことはありませんか?(もう古いか…)

フランスでオックスアイ・デイジーが「恋愛の予言」に使われていたことが由来だそうな。

 

Bee Orchid(ビー・オーキッド)

和名:オフリス・アピフェラ、蜂蘭

ビー・オーキッドは花びらを蜂のメスのように装い、オスの蜂を誘いだします。

擬態している蜂はすでに絶滅しており、現在は自家受粉ができるように進化しました。

ビー・オーキッドは一生に一度しか花を咲かせないので、ある年には大量に現れ、ある年には消えてしまうこともあります。成長も遅く、花を咲かせるまでに6年かかることもあるとか。

ブルーベルと同じく1981年に成立した「野生生物及び田園地帯保護法(Wildlife and Countryside Act)」で保護されているため、自生している花を摘まないようにしましょう。

8月

Great mullein(ビロードモウズイカ)

Image:Bing

ビロードモウズイカという名前に負けないくらいインパクトのある植物。

二年生植物で、1年目は灰緑色の基部葉を成長させ、2年目に穂状に黄色の花を咲かせます。庭や荒れ地、道路の縁といった乾燥した草地で育ち、ロウソクのような花穂は時に2mの高さにまで成長します。

 アイルランドのほとんどの地域の道端に6月から8月にかけて花を咲かせ、旧約聖書の「黄金の花を咲かせた棒」の話にちなんで「Aaron’s Rod(アロンの杖)」とも呼ばれています。

 

8月の野の花はこれから随時アップしていきます!

お楽しみに♪

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